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One Day I'll Fly Away


by ko-kojien
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5年目の別れ

その娘と付き合い始めたのは、
僕が大学の2年の時でした。

最初は何の気なしに漫然と付き合っていたけれど、
いつの間にかなくてはならない存在になっていました。

どこに行くにも一緒でした。
雨の日も風の日も雪の日も。
朝も昼も夜もいつも一緒でした。

肌を合わせない日などないくらいに、
僕たちはいつも一緒にいたのです。

彼女のことはそれこそ手取り足取り、
何でも分かっていたつもりでした。

感触で分かるのです、そう感触で。

ずっと一緒にいたのですから、
機嫌や体調の変化に気づかないわけがないのです。
そんな時はいつも僕が病院やらエステやらに連れて行きました。

彼女がいないとホントに困るのです。
その位の投資はへのへのかっぱでした。

たまにケンカをして辛く当たったこともあります。
その都度、僕の心は痛みます。

もっと優しくしてあげれば良かったと、
今になって思います。

5年も付き合えばお互い年もとります。
成長といえば聞こえがいいけれど、
老いというものは避けられません。

一抹の不安は水に広がる波紋のように、
静かに、そして確実に広がっていました。

そんな時に今回の事件が。
いつもなら乗り越えられたのに。

僕の中の何かが崩れたのを感じました。

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僕は彼女のことをとても大切にしていたけれど、
反面いつまでも一緒にいられるとは思っていなかった。

事実、何回か心変わりを覚えたけれど、
その都度思うところあって踏みとどまっていた。
安定した静かでゆるい時間が、僕たちの間にはあった。

その時間が脆くも崩れた―
5月も終わり間際の良く晴れた朝だった。
あの日あの時あの場所に一緒にいなかったら、
もう少し僕たちの時間は長いものになっていたと思う。


では一体何があったのか、
話さなければならない時間になりました。
そろそろ自分でもキツクなってきたところです。

今までの話、実は自転車の話でした。
5年にわたって愛用してきた自転車。
先日ド派手にパンクしてしまい、
遂に別れを決意したのです。

何しろ移動は徒歩か自転車かというくらい、
自転車愛好家で知られるところの私。

どうせなら高いの買ってやろうと思い奮発。
今度の彼女はなんと遠くイタリアの地からやって来ました。

目下新しい彼女の名前、募集中です。
髪はこげ茶色で、なかなかスマートな娘です。
by ko-kojien | 2007-06-09 15:11 | Essay